車の購入を検討している方にとって、自動車ローンは大きな買い物を実現する心強い味方ですよね
しかし、返済方法の選び方ひとつで、支払う利息が何万円も変わってくることをご存知でしょうか
この記事では、元利均等返済と元金均等返済という2つの返済方法を徹底比較し、実際にトヨタ・プリウス(400万円)を例にシミュレーションを行います
どちらの返済方法があなたに適しているのか、具体的な数字を見ながら判断していきましょう
自動車ローンの返済方法はどっちを選ぶ?
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自動車ローンには主に「元利均等返済」と「元金均等返済」という2つの返済方法があります
それぞれの特徴を理解することが、賢いローンの組み方の第一歩!
元利均等返済とは
元利均等返済は、毎月の返済額が一定になる返済方法
ココがポイント
元金と利息を合わせた金額が常に同じなので、家計管理がしやすいというメリットがあります
元利均等返済の特徴
- 毎月の返済額が変わらない
- 返済計画が立てやすい
- 返済初期は利息の割合が高い
- 総返済額は元金均等よりも多くなる
- 多くの金融機関で標準的に採用されている
ココに注意
返済初期は利息の支払いが多く、元金の減りが遅いというのがデメリット
しかし、毎月同じ金額を支払えばいいため、給料日のたびに返済額を確認する必要がありません
精神的な負担は軽いかもしれませんね
元金均等返済とは
元金均等返済は、毎月一定額の元金を返済し、それに残高に応じた利息を加える返済方法
ココがポイント
返済が進むにつれて残高が減るため、利息も減少し、月々の返済額も徐々に少なくなっていきます
元金均等返済の特徴
- 返済開始時の返済額が最も高い
- 時間とともに返済額が減少する
- 元金の減りが早い
- 総返済額が元利均等よりも少ない
- 初期の返済負担が大きい
元金を確実に減らしていくため、利息の総額を抑えられるのが最大のメリット
ただし、返済開始直後の負担が大きいため、収入に余裕がある方に適した返済方法といえます
自動車ローンの返済額を節約するなら元金均等を選ぶべき理由
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結論から言えば
総返済額を最小限に抑えたいなら
元金均等返済を選ぶべきです
その理由は...
利息負担が少ない返済方法だから
元金均等返済では、毎月一定額の元金を返済するため、ローン残高の減少が元利均等返済よりも早く進みます
利息は「残高×金利」で計算されるため、残高が早く減れば減るほど、支払う利息も少なくなります
例えば、300万円を年利3%、5年間で返済する場合
元利均等返済では利息総額が約23.4万円になりますが
元金均等返済では約22.9万円で済みます
差額は約5,600円と一見小さく見えますが、借入額が大きくなればなるほど、この差は広がります
長期的な家計への影響も小さい
元金均等返済を選択すると、返済が進むにつれて月々の支払いが軽くなります
これはライフステージの変化に柔軟に対応できる大きなメリット
例えば、子どもの教育費が増える時期や、住宅ローンを組む予定がある場合などは、将来の支出増に備えることができますよね
繰上返済との相性が良い
元金均等返済は、繰上返済とも相性が良い返済方法
ココがおすすめ
元金の減少が早いため、繰上返済の効果がより大きく現れます
ボーナスなどで余裕ができたときに繰上返済を行えば、さらに利息を削減できますよ♪
プリウス400万円の自動車ローンを実践シミュレーション
それでは、実際の車種を例に、2つの返済方法の違いを具体的に見ていきましょう。
今回は人気車種のトヨタ・プリウス(車両本体価格400万円)を購入するケースでシミュレーションします。
シミュレーションの条件
- 車両本体価格: 400万円(新車)
- 金利: 年3.0%(一般的な自動車ローンの金利)
- 返済期間: 7年(84回払い)
- ケース1: 頭金なし(借入額400万円)
- ケース2: 頭金100万円(借入額300万円)
※実際の自動車購入では、車両本体価格に加えて諸費用(税金、保険料、登録費用など)が約10%程度かかるため、借入額は実質的に車両本体価格よりも少なくなることが一般的です。
ケース1: 頭金なし(借入額400万円)の比較
まずは、頭金を用意せずに400万円を借り入れるケースを見てみましょう。
元利均等返済の場合
- 月々の返済額: 52,853円(常に一定)
- 総返済額: 4,439,622円
- 利息総額: 439,622円
次に元金均等返済も見てみましょう
元金均等返済の場合
- 初回月返済額: 57,619円
- 最終月返済額: 47,742円
- 総返済額: 4,424,960円
- 利息総額: 424,960円
元金均等返済を選択すると、初回の返済額は元利均等よりも約5,000円高くなりますが、総返済額では約15,000円お得になります
また、返済が進むにつれて月々の負担が軽くなり、最終的には4.7万円程度まで下がります
ケース2: 頭金100万円(借入額300万円)の比較
次に、頭金100万円を用意して、借入額を300万円に抑えたケースを見てみましょう。
元利均等返済の場合
- 月々の返済額: 39,639円(常に一定)
- 総返済額: 3,329,716円
- 利息総額: 329,716円
借入額が減ることで、月々の返済額も3万9千円台まで下がりますね
これならより余裕を持った返済が可能です
元金均等返済の場合
- 初回月返済額: 43,214円
- 最終月返済額: 35,827円
- 総返済額: 3,318,714円
- 利息総額: 318,714円
元金均等返済では、初回月の返済額は約4,000円高くなりますが、総返済額で約11,000円の節約になります
最終的な返済額は3万5千円台まで下がり、家計への負担がさらに軽減されますよ
頭金の効果を検証
頭金を入れることの効果も、数字で確認しておきましょう。
元利均等返済の場合
- 頭金なし: 利息総額 439,622円
- 頭金100万円: 利息総額 329,716円
- 削減効果: 109,906円
元金均等返済の場合
- 頭金なし: 利息総額 424,960円
- 頭金100万円: 利息総額 318,714円
- 削減効果: 106,246円
頭金を100万円用意することで、利息負担を約11万円削減できるようになりました
返済方法の違いによる節約効果より、頭金による節約効果のほうが実は大きいことがわかります
自動車ローンは返済方法より頭金
ここまでのシミュレーション結果を踏まえて、それぞれの返済方法が向いている人を整理しましょう。
元金均等返済が向いている人
- 収入に余裕がある方: 初期の返済額が高くても対応できる
- 将来的に支出が増える予定がある方: 返済が進むにつれて負担が軽くなる
- 総返済額を最小限に抑えたい方: 利息を節約したい
- 繰上返済を予定している方: 元金の減りが早いため、繰上返済の効果が大きい
- ボーナス払いを併用しない方: 月々の返済で完結させたい
元利均等返済が向いている人
- 毎月の返済額を一定にしたい方: 家計管理をシンプルにしたい
- 返済開始時の負担を抑えたい方: 他の出費との兼ね合いを考慮したい
- 収入が安定している方: 長期にわたって同じ額を支払い続けられる
- 計画的な貯蓄を重視する方: 返済額が固定されているため、貯蓄計画が立てやすい
以上、節約に向いているのは元利均等返済よりも元金均等返済
ただし、節約効果を最大化するなら、頭金を多く揃えるかがポイントになります
自動車ローンを組む際のその他の注意点
返済方法以外にも、自動車ローンを組む際に知っておくべきポイントがあります
金利の比較は必須
自動車ローンの金利は、金融機関によって大きく異なります。一般的な金利の相場は以下の通りです
- ディーラーローン: 年4〜8%
- 銀行マイカーローン: 年1.5〜4%
- 信用金庫・JAなど: 年2〜4%
- 残価設定型ローン: 年3〜6%
金利が1%違うだけで、300万円の5年ローンでは総返済額が約8万円も変わってきます。複数の金融機関を比較検討することが重要です
頭金は多めに用意する
シミュレーションで見た通り、頭金を用意することで利息負担を大幅に削減できます
一般的には、車両価格の20〜30%程度の頭金を用意するのが理想的とされています
400万円の車であれば、80〜120万円程度の頭金を準備できれば、月々の返済も楽になり、利息も抑えられますよ♪
返済期間の設定
返済期間は長くするほど月々の返済額は減りますが、支払う利息の総額は増えます
自動車ローンの場合、一般的には3〜7年が標準的です
返済期間による違い(300万円、年利3%の場合)
- 3年(36回): 月々約87,300円、利息総額約144,000円
- 5年(60回): 月々約53,900円、利息総額約234,000円
- 7年(84回): 月々約39,500円、利息総額約321,000円
返済期間を2年延ばすと、月々の返済額は約1.4万円減りますが、利息は約9万円も増えてしまいます
繰上返済の条件を確認
将来的に繰上返済を検討している場合は、事前に条件を確認しておきましょう
金融機関によっては
- 繰上返済手数料が必要
- 最低繰上返済額が設定されている
- 一部繰上返済ができない
こうした制約があることもあります。繰上返済がしやすいローンを選ぶことも、総返済額を抑えるポイントです
残価設定型ローン(残クレ)との比較
最近人気の残価設定型ローンは、車両価格から数年後の残存価値(残価)を差し引いた金額を返済する仕組みです。
残価設定型のメリット
- 月々の返済額が抑えられる
- 最新モデルに乗り換えやすい
残価設定型のデメリット
- 走行距離制限がある(月1,000〜1,500km程度)
- 車体の傷や改造に制約がある
- 最終的に買い取る場合、総額が高くなることが多い
通常のローンとは性格が異なるため、自分の使用スタイルに合わせて検討しましょう
まとめ: 賢い自動車ローンの組み方
自動車ローンの返済方法について、詳しく見てきました。最後に重要なポイントをまとめます。
返済方法の選び方
総返済額を最小限に抑えたいなら「元金均等返済」を選ぶべきです。
プリウス400万円のシミュレーションでは、頭金なしで約15,000円、頭金100万円で約11,000円の節約になりました
これは7年間での差額ですが、借入額が大きければその差も広がります
ただし、元金均等返済は初期の返済負担が大きいため、収入に余裕がある方や、将来的に支出が増える予定がある方に適しています
一方、家計管理のしやすさを重視するなら「元利均等返済」も十分に検討に値します
毎月の返済額が一定なので、長期的な資金計画が立てやすく、精神的な負担も軽減されます
頭金の重要性
頭金を多く用意することは、どちらの返済方法を選んでも有効です
100万円の頭金で約11万円の利息削減効果があるため、可能な限り頭金を準備することをおすすめします
金融機関の比較を忘れずに
返済方法を選ぶ前に、まずは複数の金融機関で金利を比較しましょう
金利1%の差は、返済方法の違いよりもはるかに大きな影響を与えます
無理のない返済計画を
最も重要なのは、無理のない返済計画を立てることです
月々の返済額は、手取り収入の20〜25%以内に抑えるのが理想的とされています
例えば、手取り月収25万円の場合、返済額は5〜6.25万円以内が目安です
プリウスのシミュレーションでは、月々5万円~6万円程度の返済額なので、この収入帯の方には現実的な選択肢といえます
自動車ローンは数年にわたる長期的な契約です
目先の月々の安さだけでなく、総返済額、ライフプランの変化、収入の見通しなど、さまざまな角度から検討して、自分に最適な返済方法を選びましょう
車は人生を豊かにする大切な買い物
賢くローンを組んで、後悔のないカーライフを送りましょう